ヤタゴラスの外出日記 ~山 旅 ゴルフにスポーツ観戦~

兎に角出かけるのが好き!山登りやら、旅行・ゴルフ・スポーツ観戦やら・・・ の外出記録です。

百名山制覇にトライ その100:幌尻岳(新冠陽希コース2泊3日)・百名山完登

【登山日】 2023年8月25~27日

【ルート】 イドンナップ山荘~新冠ポロシリ山荘~幌尻岳

         ~新冠ポロシリ山荘~イドンナップ山荘

【時 間】 初 日  9:30頃 イドンナップ山荘出発

                  ~14:45頃 新冠ポロシリ山荘着

      二日目  5:55頃 新冠ポロシリ山荘出発 ~ 幌尻岳

                  ~14:30頃 新冠ポロシリ山荘着

      三日目  5:30頃 新冠ポロシリ山荘出発 

                  ~10:25頃 イドンナップ山荘着 

【天 気】 初日晴れ、二日目晴れ、三日目晴れ

【麓まで】 新千歳空港⇔イドンナップ山荘 レンタカー

【概 要】 百名山の最難関とも云われる、北海道日高山脈にある山です。

      ①沢歩きが必要な額平コース ②アクセス道が長い新冠(陽希)コース
      ②登山道が長距離で途中に山小屋が無いチロロ林道コース

      の3コースがあり、いずれも極めてタフです。

      登山者が一番多いコースは①額平コースです。額平コースを選ぶ場合、

      十分な沢歩きの経験と技術が必要です。沢歩きの経験が不十分な場合はガ

      イド付きツアーに参加することになりますが、その場合でも沢歩きの事前

      訓練は必要です。また川が増水している場合は撤退を強いられます。

      私は②新冠(陽希)コースの2泊3日単独行を選びました。

 

【記 録】

<一日目> 林道入口 ~ イドンナップ山荘 ~ 新冠ポロシリ山荘

前日苫小牧のホテルに宿泊しました。当日は5:05苫小牧のホテルを車で出発して6:55頃林道入口に到着、ここから42kmのダート道との戦いが始まります。林道に入った途端に情報通り穴ボコだらけの道が続き参りましたが、実は道の穴は進むに従って徐々に減って行きました。それでも悪路であることに違いは無く、スピードを出さずに注意深く進み8:50頃イドンナップ山荘に到着しました。約42kmの行程をほぼ2時間掛けて走ったことになります。イドンナップ山荘には10台程の車が停まっていた。全車泥まみれです。

イドンナップ山荘とその脇に在る陽希コースの銘板

まずは、イドンナップ山荘内の掲示板で最新情報の確認です。情報に拠ると前日新冠ポロシリ山荘で亡くなった方が居るとのことでした(新冠ポロシリ山荘到着後「熱中症で亡くなった」旨を知りました)。また熊の目撃情報がちらほら書いてありました。

その後食事を済ませ、身支度をして、9:30イドンナップ山荘を出発です。快晴なのは良かったのですが逆に北海道とは思えない程の蒸し暑さで参りました。

さて、この日は一般車両が通行禁止となっている林道(ダート道)を登り降りしながら新冠ポロシリ山荘迄の約19kmをひたすら歩いて行きます。約19km歩いて標高差は350m程です。歩き易いのですが、この日は兎に角蒸し暑くて汗が吹き出します。ゴール直前になると林道の傾斜がキツイ箇所があり、その辺りで2リットル持って行った水分が無くなり掛け、またふくらはぎがツリ気味になって少し焦りましたが(尤も今回は、スポーツ飲料の顆粒・サプリ・燃料・行動食等々をタップリ持参しているので危険な状況ではありませんでしたが・・・)、無事14:45頃新冠ポロシリ山荘に到着しました。 

新冠ポロシリ山荘外観

この新冠ポロシリ山荘、管理人が居ない避難小屋然とした山荘ではありますが、①建物内に蛇口と流しが有り水が豊富に流れていて煮沸すれば飲める ②屋外に仮設トイレが設置されている ③建物内の流し・建物の入口・仮設トイレ入口と内部に人感センサー付きの照明がある ④建物前には広い平らなスペースが有り机・椅子も有る でなかなか滞在しやすかったです。 とは言え、携帯は通じず・ラジオも碌に入らず・テレビも本も置いていない でして、同宿の方との雑談や食事以外にはすることも無く、19時には就寝しました。

 

<二日目> 新冠ポロシリ山荘 ~ 幌尻岳 ~ 新冠ポロシリ山荘

頂上への山行当日、4:30頃に起床し食事や身支度をしていたら、同宿した方から「登山道の途中に在る水場の水は飲めないと云われているけど、下から見て右側の水流だけは飲める とガイドさんが云っていました」との情報を頂きました。実はこれがとても貴重な情報になりました。

5:30頃に幌尻岳に向けて2人組が先行して出発しました。私はソロで5:55山荘を出発です。この日も快晴、蒸し暑くなることが予想されました。
まずは川沿いに緩斜面を、何回か幅の狭い小川を渡渉しながら登って行きます。一部川沿いの径が通行できなくなっていて傾斜のキツい迂回路が設けられていました。順調に進んで行き6:40頃、このルート唯一の水深の深い渡渉点に到着しました。但しこの渡渉点には丸太の橋が掛けられていて靴を脱ぐ必要も無く渡ることができました。登山道を整備されている山岳会の方々に深謝です。

この渡渉点で一休みしてからいよいよ標高差1000mを超える急登に取り掛かります。登山道は終始登り易いのですが、予想通り徐々に蒸し暑くなっていき汗が吹き出て来ます。そして渡渉点から標高差で600m程登った辺りで脱水の初期症状が出てきてしまいました。前々日に熱中症で亡くなった方が居た事もあり、安全第一、ここで撤収を覚悟しました。

さてこの時点で水分はスポーツ飲料が1リットル程残って居ます。加えてサプリも予備のスポーツ飲料用顆粒もあります。また標高差で100m程登ると水場が有ります。 直ぐに撤収するか、或いは水場迄登って水をタップリ補給してから撤収するかを考えた結果、水場迄行くことを選択しました。水場に到着し、水分とサプリをタップリ補給して行動食を食べて休憩していたら幸い脱水の初期症状は消えて無くなりました。試しにと思い水場から標高差50m迄と決めて登ってみたらこれが快調に登れる! 再び山頂を目指すことにしてそこからは順調に登って行き10:25頃山頂に到着!!水場の情報に助けられ無事百名山ピークハントを完了することができました。 
山頂では持参した「百名山ピークハント完了」のタオルマフラーを出して写真撮影。先行2人組も含め居合わせた方々からお祝いの言葉を頂けました。

 

山頂からは東カールが綺麗に見えます。また日高の深い山並が見事でした。

カールが綺麗です(撮影時ガスが掛かってしまい少し残念)。

食事をしたり・写真を撮ったり・山頂で居合わせた方と百名山の話をしたりしながら山頂で1時間近く過ごし、11:20頃下山開始です。どうって事の無い登山道なのですが、新冠ポリシーに従ってポールを持って行かなかったので足へのダメージが強烈でした。太ももに強い筋肉疲労を感じながら14:30頃新冠ポロシリ山荘に帰着しました。

この日はガイド付きツアー御一行様(10名程)が山荘に登って来ていたのですが、先に山頂から山荘に戻っていた先行2人組がその御一行様に向けて「これから百名山達成者が下って来ます」と宣伝してくれていたお陰(?)で、ここでも多くの方からお祝いの言葉を頂うことができました。

百名山完登の余韻に浸りながら食事と会話を楽んだのち、足の疲労も手伝って18:00頃には山荘内で横になりそのまま就寝しました。

 

<三日目> 新冠ポロシリ山荘 ~ イドンナップ山荘 ~ 林道入口

さてその翌日、小雨予報でしたが幸い予報が外れ晴れ間が覗いていました。食事と帰り支度をして5:35頃新冠ポロシリ山荘を出発、2日前に歩いて来た道を太ももの筋肉痛に苦しみながらひたすら戻って行き、10:25頃無事イドンナップ山荘に到着しました。

単調な林道ですが、途中に在る奥新冠ダムがアクセントを与えてくれます。

そこで着替えをしてしばし休憩したのち11:10頃ダート道のドライブを開始、出発直後、林道から森の中に逃げていく熊を目撃!居るんだ(汗)。歩行中に会わなくて良かった! 13:00少し前に林道を抜け、ラーメン屋に駆け込んで「味噌チャーシュー麺+餃子」を楽しみ、レ・コードの湯でまったり入浴(但し暑くて入浴後に涼むことはできず)。 そしてその場で予約した浦河のホテルにチェックイン、ささやかな一人祝いで、豚すき焼きとビーフシチューをお腹一杯楽しみました。

これでピークハントは卒業。これからは行きたい山・やりたい山行を楽しもうと思います。